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LEGO Apollo 11 Lunar Lander (10266) レビュー

先日、ぼんやりとTwitterを見ていて、ぼんやりといいねをしたツイートがあった。

続くスレッドに幻惑されて、右にある箱をよく見ていなかったのだが、なんと月着陸船ではないか! 6月1日に発売されたばかりの新製品だという。これは何としても手に入れなければ! ということでお台場のレゴランドの出口にあるショップへ行き、1つゲットした。ということで今回はLEGO CREATOR EXPERT: NASA Apollo 11 Lunar Landerをレビューしたいと思う。

Master of the BuildはAscent Stage担当

さて、まずは完成品の全体をご覧いただこう。写真のクオリティが低くて申し訳ないが、本当に気になる方はどうせ買うのだろうからまあいいだろう。

全体の俯瞰

ミニフィグが乗れるほどのスケールなので大した大きさだ。スケールについて、マニュアルには何も触れられていないが、幅と高さを実測して計算してみると、だいたい1/37ぐらいになると思われる(ちなみに高さと幅は実機とほぼ同じ比率で再現度が高い)。全体の印象としては「レゴでよくここまで再現したな!」という感じだ。細部についてはレゴ的に大きな部品を使わざるを得なかったり(RCSがそうだ)、逆に小さく作らざるを得なくなったり(上昇段の燃料タンク、向かって右側の大きなふくらみの部分)している。しかし重要と思われるパーツはしっかりと作りこみ、省かざるを得ないところは省いている。よく分かっている人が作ったなという印象だ。

正面から。向かって右の燃料タンクが左の酸化剤タンクより大きく作ってある

まず操縦席を見てみよう。LMの特徴である三角形の窓を、非常にうまく再現している。ちなみに組み立てをした小学3年生は、せっかくの大きな窓をどうしてこんな風に隠さなければならないのかと、実に当たり前の質問をしてきたので、アポロ宇宙船がいかに重量と戦ったのか5分間ぐらい講釈しなければならなかった。

上昇段正面のディティール

参考に、1/72スケールの精密モデルと比較してみよう。これはかなり再現度の高いモデルで、今回の比較には十分参考になる。

参考:精密モデルの上昇段のディティール

次に目を引くのがアンテナ群だ。LMの上部を見てみよう。

上昇段の上部

この写真で見えている左下のパラボラアンテナはランデブーアンテナだ。正面にあるので、大抵どのモデルでも必ず付いている。左上についているパラボラアンテナはS-BANDアンテナ(通信やテレメトリ用)で、これも特徴的だ。さてレゴ版でがんばっているなと思わされるのが、右上(背面)と右下(向かって右)にある十字で表現されたVHFアンテナだ。これはディティールの低いモデルだと省略されることが多いが、レゴでは位置が若干ずれているが再現しようと努力している。比較のために、精密モデルではどうなっているかを示そう。

参考:精密モデルの上部のディティール

このモデルで見えているT字型の突起物はアンテナではなく、CSMとのドッキング時のターゲットだ(ちょっと形がおかしい)。

次に見てみたいのがカラーリングだ。LMは黒・銀・金の三色で塗り分けられている。これは熱の吸収と反射をコントロールするために重要なのだ。精密なモデルであれば、これがどの程度再現されているかは非常に重要なポイントになるが、レゴ版でとやかく言うのは無粋というものだ。しかしレゴでも、がんばっているところはある。たとえば下降段のこのパターンは特徴的だ。

下降段の金・黒のパターン

ちょうど星条旗がある部分がそうだ。これを精密モデルと比較してみよう。

参考:同じ部分のパターン

なかなかの再現具合ではないだろうか。

同じ写真で比較したいのが、着陸脚のトラス構造とデフレクターだ。レゴ版の着陸脚はレゴらしい構造でLM全体を支えていて、作るのが非常に楽しいパーツだ。そして精密版と比較しても、遜色のない形になっている。さすがに底の部分にあるクロスビームは再現できていないが……。そしてRCSの下についているデフレクターだ。これはRCSが噴射したとき、下降段を傷つけないようにする反射板なのだが、レゴ版では位置も大きさもめちゃくちゃなので、これが何のためにあるのか理解していないと、ただの飾りにしか見えないだろう。

レゴならではのギミックもある。ミニフィグが乗り込めるという点だ。上昇段は3つのパーツに分離できる。

上昇段の前面を外したところ
操縦席からの眺め

こういうところはいかにもレゴだなあと思うところだ。

また、上昇段と下降段は分離可能だ。そのほかのディティールも非常によくできており、満足のいく出来になっている。

上昇段を分離したところ
下降段の上面。赤白に見えているのは燃料・酸化剤タンク
裏面も凝ってます

このほか写真では紹介しなかったが、下降段にはハシゴを降りる宇宙飛行士を撮影するビデオカメラや、月面に置いてきたレーザーリフレクターが収納されていて、ちゃんと取り出せるようにできていて、EVAゴッコで遊べるようになっているのが非常にうれしい。さっすがレゴである。

さてこのスケールで着陸船が手に入ったのだから、今度は指令船かな、と思うんだけれど果たして出るだろうか。もし出るとなると、レゴ・サターンVよりも太くなりそうなので、かなり作り応えがありそうなんだが。