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年別アーカイブ: 2020
ASから見たインターネット
IPアドレスだけを頼りにデータが届くというインターネットの仕組みは、ちょっと考えてみると不思議に思える。IPv4アドレスは(枯渇が問題になっているとはいえ)42億9千万個にも及ぶ組み合わせがあり得るわけで、その一つ一つの宛先に正確にデータを送り届けているのだから、すんごい仕組みで動いてるのだろうなあと想像する人も多いのではないだろうか。本稿はそれを説明してみたい。
インターネットへの繋ぎ方を考える
インターネットとの接続を説明するとき、このような簡略図がしばしば登場する。
さて、ここで「インターネット」と書かれている部分に注目しよう。インターネットは、実際には様々な組織(プロバイダやデータセンターなど)が運営するネットワークが相互に接続されてできたものだ。接続されたネットワークの数は描き切れないほど多数だが、これを簡略化してみるとこんな感じになる。
[続きを読む]オフィス縮退、あるいはアンケートの作り方
この記事が出た夜、たまたま田中さんと晩御飯を食べる機会があった。どうやら田中さんと「会う」のは6か月ぶりのようだった。自然に話題は記事の話になった。記事を読むと田中さんは、最上階を手放すことに未練はないように見えるが、ホントのところどうなんですかと聞いてみると、ちょっと残念、という様子だった。ではなぜああいう結論に至ったのかというと、よく言えばきちんと権限を譲渡して任せた結果だ。眺めのよい部屋にこだわってもよいことはないでしょうという意見に合理的な反論ができなかったということだ。だがこの結論に至るまでの流れについては個人的に思うことがあるので、ここにメモしておきたい。
[続きを読む]QNAPストレージをZabbixで監視する
前回の記事では、自宅NAS(RAID構成のストレージ)をSMARTで監視する際の諸事情についてまとめた。
本稿ではテンプレートと設定ファイルを具体的に示し、Zabbixでどのように監視するかを説明する。
条件
前回の記事の続きではあるが、一応条件を掲げておく。
- 対象NASはQNAPのTS-451、TS-453Be
- いろいろググっているとQNAPは製品(たぶんCPU)ごとに微妙にOS仕様が違うらしいので、他機種では動かないかもしれない
- Zabbix 5.xで試しているが、たぶん4.x以降なら大丈夫と思う
- QNAPがコマンドライン操作をでどこまで製品サポートしているかはよく分からない(まじめに保証書を読んでいない)ので、自己責任でお願いしたい
自宅NASをSMARTで監視する
最近在宅ワークにシフトした結果、オフィスで提供されてきた共有ファイルサーバが利用できなくなり、自分でファイルストレージを何とかしなければならないという相談を受けるケースが増えてきた。これに対する答えはいろいろあって、クラウドサービスを使って外部に置くなんていうのもアリだが、自分は5年ほど自宅でNASを運用しているのでこれをオススメしている。ただNASの運用はそれなりに面倒だ。特にディスクドライブを複数搭載し、RAID構成にしている場合の監視はいろいろテクニックを要する。
本稿ではSMARTによるディスクドライブ監視を中心に、NASの運用手法について説明する。
NASの選択と運用ポリシーの決定
最初にお断りしておくが、本稿ではバックアップについては何も説明しない。絶対に失いたくない大切なデータをどうしたらよいかは、ぜひ自分で考えていただきたい。本稿で示すNASのRAID運用と監視は「壊れやすいディスクドライブを相手に、できるだけ素早く復旧を目指す方法」を説明するものであって、データをロストする可能性はゼロではない。自分はバックアップを別の方法で取っているが、本稿の趣旨と外れるので説明しない。
[続きを読む]IPアドレスとプライバシー
あるIPアドレスを入手したとして、この情報だけで利用者を特定することはできるだろうか。技術的には無理である。IPアドレスから利用者を特定するためには、実際には様々な情報を組み合わせ、方々に問い合わせをしていかなければならない。
まずIPアドレスがどのようなものかを整理しよう。アクセス元のユーザが、スマホのような端末でアクセス先のサービス(たとえばSNSのサービスを提供しているサーバ)にアクセスするということは、下図のような状況を意味している。インターネットを利用するということは、インターネットの回線を介してデータをやり取りするということであり、アクセス元にデータを届けるためにはIPアドレスを頼りにする。したがってアクセス先のサーバはIPアドレスを記録し、正しく返信しなければならない。少なくとも通信を行っている間は、IPアドレスを保持していなければならない。
アクセス元のIPアドレスを決定しているのは誰だろうか。それはアクセス元にインターネットアクセスサービスを提供しているアクセスプロバイダ、ISPだ。現代ではほとんどの場合、電話会社である。もちろん例外は多数あるが話が長くなってしまうので、電話会社の例で説明を続ける。
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