ホーム » 技術 » テレワーク時代におけるオンラインミーティングとマイク検討

テレワーク時代におけるオンラインミーティングとマイク検討

さくらインターネット研究所というのは、10名ほどのメンバーが所属しているのだが、東京・大阪・福岡の各拠点に分散している上に、非常勤の客員研究員もいてミーティングごとに足を運んでいただくわけにもいかないため、ずいぶん前からオンライン・ミーティングを実施してきた。以前、ミーティング人数が少なかったときにはOculus Goを使ったVRミーティングをやっていたのだが、人数が10名とか、出張機会の多いメンバーが増えて機材の都合がつかない(結構かさばるのだ)とか、色々問題が出てきてしまったため、その後zoomに移行した。

zoomのよいところはいくつかある。まず第一に、音声品質が安定していることだ。オンライン・ミーティングアプリは様々な要因で質が劣化するが、zoom本体の問題で音声が途切れたり品質が悪化するということがほとんどない。多くの問題はクライアントサイドの回線や機材の問題で起こることが多く、これらは設定の工夫で解消できるので、使って慣れるうちに安定させることができる。

第二に、アプリがそこそこ使いやすいということだ。ミーティングで重視したいのは画面共有機能だ。zoomはこれが安定しているし、困ったことも問題が発生したこともない(Macintoshユーザが時々ハマっているのを見かけるが、どうしてあげたらいいのかさっぱりわからない)。

zoomは課金しなくても、一定の制限付きであるが利用ができる。40分間までのミーティングならば試せるので(切れたら再度繋ぎなおせばいいので)、どしどし試してみればよいと思う。課金すると、制限がなくなるのはもちろん、特権ユーザは参加しているユーザをコントロール(muteとかbanとか)したり、会議室を予約したりできる。予約した会議室は課金ユーザが参加していなくても開催できる(課金ユーザが別に課金会議室を作ると、そちらが優先されてしまう)。

エコーキャンセル機能はどのアプリも充実しているので、特に優劣はないように思う。zoomもその点はしっかり作られている。だが同じ部屋で複数の人がノートPCを開いて同一ルームに参加するというようなエクストリームな状況には耐えられないのでやめた方がよい。

快適なオンラインミーティングのためにマイクを工夫する

さて、オンラインミーティングに参加するために必要な機材はどうか。zoomに限らず今時のオンラインミーティングアプリは、ノートPCに標準で搭載されているマイク・スピーカー・カメラの組み合わせで使い始めることはできる。だが、使っているうちにだんだん不満が出てくる。相手の声が聞こえづらかったり、自分の声がうまく伝わらなかったりするのだ。これは多くの場合、マイクとスピーカーが原因だ。

スピーカーの問題については、イヤホンで簡単に解決できる。先ほどエコーキャンセル機能は充実していると書いたが、イヤホンをすればエコーキャンセルは必要がなくなるのだから、そもそも問題が発生しなくなる。もしミーティングの音を他人と共有する必要がないのなら、イヤホンを必ず使うようにするとよい。こうすると、ヒアリング環境だけでなく、自分の音声環境も格段に向上させることができる。

次にマイクを見直したい。ミーティングで、参加者に自分の声がどのように伝わっているかを確認し、聞き取りづらいというような意見があるなら、思い切ってマイクに投資してほしいのだ。といっても高価なマイクを用意する必要はない。オススメなのは安価でも指向性の強いマイクに切り替えることだ。

自分はオンラインミーティングに参加するとき、自席で(周囲の迷惑を顧みず…?)イヤホンを使って話しかけていた。マイクはノートPC搭載のものだったが、ゲーミングPCであるせいか非常に高品質で、ミーティングでは特に問題がないという判定だった。だがオムニ特性であったため、居室で他の人が会話を始めるとその音をすべて拾ってしまい、ミーティングにおいて雑音になってしまうという問題が発生していた。

そこで単一指向性のマイクをググって注文した。最近注文したところ、割引が効いていて2000円ほどだった。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01M7YIYZV/

これを利用者に向けて設置する。

一見マイクが口元から遠いように見えるが、これでも問題なく音声を拾えている。周囲の音をかなりシャットアウトできるようになり、評判が高い。ちなみにこのマイクはハードウェア・ミュートも可能で、咳払いの時などに便利だ。似たような単一指向性マイクはたくさんあるので、自分の利用形態に合ったものを探すとよい。

なお、カメラに広角レンズをつけているのはあまりにも顔をズームで撮られるのがイヤで付けたもので、特に意味はない。

会議室には良いマイク&スピーカーを置いてほしい

以上は個人のオンライン・ミーティング環境の話だった。この先、会社の会議室もどんどんオンライン・ミーティング対応になっていくのだろう。さくらの場合すでにzoom化が完了していて、どの部屋もホストになれるようになっている。さくらは以前から会議室用に高性能マイク&スピーカーを備えているので、質の高いオンライン・ミーティングができるようになっている。実は、複数人が集まる会議室においてマイクとスピーカーをケチると、オンライン・ミーティングの品質がガタっと落ちてしまうのだ。なのでここには惜しまずにお金をかけてほしい。ときどき「あのミーティングアプリは質が悪い」と悪口を言う人がいるが、実はマイク/スピーカーが悪かったということがあるので、原因をちゃんと追求した方がよい。