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コーラと指輪

自分はアルコールに対してアレルギーがあるので、飲み会でもコーラを飲む。ところでコーラを頼んでコーラが出てくればいいのだが、コーラに似た別のものが出てくることがあるのでちょっと面倒だ。コーラに似たものというのは、

  • コーラなのだが調合を間違えたもの。ギリギリ許せるものから、ただの炭酸水までさまざま
  • ダイエットコーラなどの人工甘味料でできたもの。コーラではない
  • ペプシ。ペプシはペプシで、コーラではない
  • その他サードパーティー品。何はともあれ、コーラではない

まあ要するに、コカ・コーラ以外の物は困るということだ。なので「この店ではコーラは飲めないな」と判断できれば、ジンジャエール(ウィルキンソンなどと贅沢は言わない。カナダドライもおいしくいただける)で妥協する。

コーラと言えば、瓶コーラが一番おいしいというのは都市伝説で、グラスに注いでしまえば違いは分からない。なぜならボトリング会社が生産しているコーラは1種類で、それをビンやカンやペットボトルにそれぞれ詰めているからだ。以前友人がブラインドテストを設計してくれるという話が持ち上がったのだが、結局実施には至らなかった。自分は被験者の立場なので、どうしてもやれと強く言える立場でないのだ…。手順を作ったうえで、誰かに実施してもらうという手は残っているかもしれない。自分としては、コーラとペプシなどのコーラでないものを区別するのはごく簡単だと思っている。

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自分がコーラを飲み始めたのは3歳ごろにさかのぼる。3歳の頃にはオフロ上がりに、コーヒー牛乳ならぬ瓶コーラをグイっと飲んでいたのだ。そんな3歳児がいるのかと言われそうだが、ちゃんと証拠もある。調子に乗った3歳児は、濡れた体をロクに拭きもせず冷蔵庫から瓶を左手に取ったのだが、そのまま足を滑らせて手の中で割ってしまったのだ。その結果、指を2本切ってしまった。特に左手の薬指の傷は深く、腱を切ってしまったために第一関節が曲がらなくなった。

縫傷というのは実に不思議なもので、それそのものは痛みはないのだが、押したり引いたりすると実に気持ちの悪い「感覚」を呼び起こすことがある。痒いというか、痺れというか、痛みのちょっと手前のような感覚だ。もしかして痛覚がむき出しになっているのか、あるいは傷のせいで皮膚の裏側が引き攣れているのかと思うこともある。で、このやっかいな縫傷が左手の5cmに渡って斜めに走っていて、普段はまったく気にならないのだが、間違った方向から押してしまうと指全体が痺れてしまう変な感覚に悶えることになるのだ。このような事態は、 普通に物を手で持つぐらいでは発生しない。 しかしちょっとしたきっかけでこの「感覚」に遭遇してしまうと大変面倒なことになるので注意が必要だ。特にてきめんに発生するのはMT車のシフトレバーを3速に入れるときで、革のグローブが欠かせない。

指の第一関節が動かなくても、生活に困るようなことは何もない。タッチタイプを覚えたのは機械式のタイプライターでHHKBの20倍は重いキーを叩いていたが、問題にはならなかった。リコーダーの演奏もなんとかなる。唯一困ったのは音楽の授業でギターを持たされた時で、コードがまったく押さえられなかったのを覚えている(どうやり過ごしたか思い出せないが)。

さて指輪の話だ。自分はそもそもアクセサリーにまったく興味がなかったので、指輪を買うとか指にはめるなんていうことはあり得ない人生をおくるはずだった。ところが結婚して子供を持つに至り、妻と相談して指輪だけはしとこう、ということになった。しかし指輪を薬指にすると、コーラで作った傷にピッタリ重なる。すると結婚生活より先に精神が破綻してしまう。そこで中指にしておけばいいかな、ということで今の位置に収まった。右手にしなかったのは、やはり利き手にするといろんなものに当たって音がうるさいからだ。

そういうわけでコーラには大変な因縁があるのだが、3歳からずっと飲み続け、今も晩酌には瓶コーラを飲んでいるという有様だ。瓶コーラのいいところは、コップに注がなくてもおいしいことだ(ペットボトルから直接飲むと、なんだかいまいちというのは事実だ。コップに注ぎなおせばおいしく飲める)。みなさんも、コーラの違いにはぜひともこだわっていただきたい。